先日、厚労省から発表がありました。
平成24年度の個別労働紛争解決制度の施行状況です。
先日、厚労省から発表がありました。
平成24年度の個別労働紛争解決制度の施行状況です。
→ http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000339uj.html
ネット上でも話題になっていますが、
「いじめ・嫌がらせ」に関する相談がここ数年で急増し、民事上の個別労働紛争相談の中でついにトップにきてしまいました。割合は17%。
ちなみに、”民事上の個別労働紛争”というのは、”労働基準法違反に係わるものを除く”とされているので、明らかな労働基準法違反、例えば、残業代不払いなどは労基法24条違反ですが、こういうものはここにはカウントされません。
この間は解雇が一番多く、リーマンショックの頃は25%の割合を占めていたのですが、今回の結果では16.9%でした。
では、解雇事案が減っているのかというとそうでもなさそうです。
というのは、
「雇い止め」「退職勧奨」については、高止まり傾向であり、
さらに、この間明らかに増えているのが「自己都合退職」だからです。
リーマン・ショックの頃、例えば平成21年が件数では約16,000件で6%だったものが、今回の結果では約30,000件、10%になっています。
つまり、あからさまな「解雇」が減少する代わりに、手法として「自己都合退職」を迫る、もしくは別のあらわれとして「いじめ・嫌がらせ」という形で現れる、というような流れが読み取れると思います。
社労士として気になるのが、あっせん申請件数がどうなったか、ですが、
約6,000件と、昨年比でも若干減少しました。
結果のうちわけは、
約4割が一方が不参加で不成立
その後、約4割で合意成立、
2割が話し合いがまとまらず打ち切り
という内訳でした。
4割でそもそも不参加で話し合いが持てない、というのはとても残念なことです。もちろん、個々には様々な事案があるでしょうが。
このへん、やり方としてもっと改善の余地があるだろうなと感じます。
ちなみに、今回ひとつはじめて気がついたことですが、
都道府県別の集計では、
個別労働紛争の相談件数に対してのあっせん申請件数の割合が東京が飛び抜けているということです。
全国平均は約2%ですが、東京は約5%になりました。
大都市圏では、神奈川が1%、大阪が2%、愛知が3%などでした。
これは都の労働局が比較的、あっせんに熱心に取り組んでいるということなのでしょうか。
・・・と書いていたら、都の労働局の方でも昨年度の結果のまとめが発表されていました。
→ http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0097/8401/201353113737.pdf
この中身についてはまた次回書きたいと思います。